「社会的養護職員のためのITセキュリティ/リテラシー研修」事業報告会を実施しました
- 2022年12月28日
- カテゴリー:LOCからのお知らせ, 社会的養護の職員のためのITリテラシー/セキュリティ研修
NPO法人ライツオン・チルドレン(LOC)は、2022年12月15日に渋谷ヒカリエにて「社会的養護職員のためのITセキュリティ/リテラシー研修」事業の報告会を実施しました。今回の報告会は、新型コロナウイルスの感染拡大に配慮し、少人数の招待制とさせて頂きました。
当日は、会場のヒカリエカンファレンスに自治体、社会的養護施設、支援企業などさまざまな分野の方にお集まり頂きました。LOCの最新の取り組みである今回の研修事業を立ち上げた経緯や、今後の方向性についてご説明するとともに、社会的養護施設でのICT対応のこれからのあり方について登壇者が様々な観点から議論しました。
当日は理事長の立神由美子、理事の伊丹桂、事務局長で本事業担当の石井宏茂、本事業研修講師の中島健一朗の4名が登壇しました。立神は児童養護施設れんげ学園で勤務し、伊丹は母子生活支援施設ベタニヤホームの施設長を務め、中島は相模女子大学 学芸学部子ども教育学科の准教授でもあります。
会の前半では、立神が過去10数年間の社会的養護施設の現場でのICT対応の状況を振り返り、その中でLOCが社会的養護の子どものICT活用を推進する活動を行ってきたことを解説しました。
続けて、石井から本事業の実施報告を行い、事業の成果と課題、今後の展望を説明しました。
- 本事業で作成した研修をベースにして、今後は都外への提供も含め、さらに内容を発展させたい
- 職員向け・子ども向けの取り組みを合わせて、「立体的」な活動を展開していきたい
後半は、石井、中島、伊丹の3名が、社会的養護施設におけるICT対応の今後のあり方について、それぞれの観点から提言を行い、最後にLOCからの提言としてまとめました。
- 養育の現場でのICT対応は、子どもを通じた未来への投資である
- これからの「普通(スタンダード)」とは何かを考えつつ、社会的養護の施設で標準的に対応すべき内容を確立していく必要がある
- 職員がICT関連の理解を深めるための学習の機会が不足している。知識や操作方法だけでなく、意識や世界観のアップデートも求められている
- 子どもへの直接対応の部分だけでなく、事業所としての情報セキュリティの確保も急務となっている
- 国・自治体において、現場の取り組みへの後ろ盾(予算、人員や備品の配置など)を検討することが求められる
本事業は、公益財団法人 東京都福祉保健財団様の「子供が輝く東京・応援」助成を受けて実施してきました。
助成金の対象期間は2022年度末で終了しますが、2023年度も内容をブラッシュアップして研修を提供できるよう、スタッフ一同取り組んでいます。
LOCのこうした活動には、現場の施設や関係者の皆様のご理解とご協力が不可欠なのはもちろんですが、制度や措置費を通じて施設を大きく左右している国・自治体の方々にご理解を頂くことも重要と考えています。
また、企業・支援者の皆様から頂く寄付金が、LOCを金銭的に支えています。今回の報告会では、関係者の皆様に直接説明をし、御礼を申し上げる貴重な機会を頂きました。年末のご多用の中ご参加いただいた皆様に心から感謝申し上げます。
2022年度のLOC全体の活動報告は、2023年初夏にウェブサイト等を通じて発信する予定です。
(写真撮影:LIFE.14)
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