<インタビュー> 東京育成園(児童養護施設)
- 2024年5月30日
- カテゴリー:e2プロジェクト, パソコン寄贈&オンライン講習会, 資源を"届ける"事業
NPO法人ライツオン・チルドレンにとって、プログラムを子どもに届けるためには、施設の職員さんや里親さん、関係機関の方々との連携が欠かせません。
私たちが最初に活動を始めた東京都では、全国に先駆けて平成24年度から各児童養護施設に自立支援の専門職(自立支援担当職員)の配置が進んでいました。自立支援の担当者様と連携させて頂くことで、10年にわたってプログラムを届けることができました。
ライツオン・チルドレンが設立時から続けてきた「パソコン寄贈&講習会」も、そうしたプログラムの1つです。
「パソコン寄贈&講習会」に初期から子どもを送り出し続けてくださった、児童養護施設 東京育成園様にお話を伺いました。
話し手:児童養護施設 東京育成園 施設長 高橋直之様、自立支援担当 相川様(以下、敬称略)
2024年3月収録・2024年5月掲載
Q. この10年の間に、東京育成園さまからは25人の高校生がライツオン・チルドレンのパソコン寄贈プログラム(※)に参加して下さいました。
高橋:もう10年前になるんですね。子ども一人ひとりにパソコンの寄贈というのはそれまでありませんでしたので、ライツオン・チルドレンさんからお話を頂いた時のことは今でも覚えています。ちょうど園で「子ども達にもパソコンが必要だよね」という話が出ていたので、すぐに「お願いしよう!」という話になりました。
※2014年~2020年の「e2プロジェクト パソコン講習会」、2021年~2024年3月の「パソコン寄贈&オンライン講習会」のこと。
Q. お子さん達のリアクションはどんな感じでしたか?
高橋:単純に「パソコンもらえる!」って喜んでいました(笑)。子ども達が頂いたパソコンは、以前は職員が事務室で管理していて、3月に施設を出る時に渡していましたが、最近は子どもが自分で管理するようになりました。子ども達に向けた様々なプログラムがオンラインになる中、自分のパソコンを使って参加できるのはとてもありがたいです。
進学した後にレポートの作成などで当然パソコンが必要になりますが、進学前に入学申請書を出したり、入学前の課題の提出などもほとんどオンラインになったので、本当に助かっています。
相川:このプログラムがないと、子ども達は何十万円もかけて自分でパソコンを購入しないといけなくなるので、この寄贈プログラムがなくなってしまうと困ります(笑)。頂いたパソコンを修理して使い続けている子もいます。
Q. お子さん達がパソコンを有効に活用してくれているようで、とても嬉しいです。
相川:ライツオン・チルドレンさんのパソコン寄贈&講習会は募集と同時にすぐに枠が埋まってしまうので、募集開始と同時に申し込みをするようにしています(笑)。みんな早くパソコンが欲しいというのもあるのですが、上の子たちがずっと寄贈を受けているの見ているので、ライツオン・チルドレンさんからお知らせ来たら、もう「これはもうみんなが受けるもの」っていうぐらいの認識が職員にもあります。
Q. 2024年3月まで実施したオンライン講習会は、3時間でした。オンラインで3時間は大人にとってもちょっと長いと思うのですが、職員の皆さまはどのように感じていらっしゃいますか?
高橋:私たちとしては、子どもにパソコンをプレゼントして頂くだけでなく、講習会があることをとてもありがたく思っております。ライツオン・チルドレンさんから頂くパソコンには、いろんな人が関わってくれていて、いろんな人が協力してくれていることを子どもに理解してほしいと思っています。最近は施設で暮らす子ども達のために奨学金やそれ以外の支援も手厚くなってきていますが、子どもたちがそれを「やってもらって当たり前」みたいな感覚になってしまってきている部分があり、「それは違うだろう」と私は思っています。
決まったプログラムにしっかり参加するのは当然だと思いますし、支援してくださる方にきちんとお礼を言う場が必要だろうと、私は思っています。
Q. この10年で公的制度も民間の奨学金なども含めて、施設の子どもに対しての支援は拡充されましたね。
高橋:はい。なのでそれを当たり前と思ってしまうと、社会に出た時に今度はすごく苦しくなってしまう。だからこそ、ご支援していただけるものは感謝していただかなければいけないし、それがなくても生きていけるように準備をしなくてはいけないと子ども達に伝えています。
Q. 私たちも本当にそう思います。今年度スタートする新しいパソコン寄贈プログラム(※)は、内容としては少しハードルが高くなってしまうかもしれませんが、最終的にこれまでよりお子さんのためになるような取り組みにしていきたいと思っています。
高橋:私たちとしては本当に感謝しかないです。ありがとうございます。これからも子ども達を参加させて頂きたいので、ぜひ今後もこのプログラムを続けて頂きたいです。
※新しいパソコン寄贈プログラムは、2024年夏頃に発表する予定です。
あとがき
東京育成園様で取材をさせて頂いた日に、施設を退園する高校3年生を職員さんや子ども達が玄関で見送るセレモニーがありました。
退園する子は、2023年にパソコン寄贈&オンライン講習会に参加してくれた子で、満面の笑顔で「4月から専門学校に進学するので、そこで頂いたパソコンをいっぱい使います!」話してくれました。他にもパソコン寄贈&オンライン講習会に参加した高校生が2人いて、その子達もお礼を言いに来てくれました。
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