<インタビュー> にじいろステーション(高知県の社会的養護自立支援拠点事業)
- 2024年6月05日
- カテゴリー:e2プロジェクト, パソコン寄贈&オンライン講習会, 資源を"届ける"事業
NPO法人ライツオン・チルドレンにとって、プログラムを子どもに届けるためには、施設の職員さんや里親さん、関係機関の方々との連携が欠かせません。
ライツオン・チルドレンは東京で設立され、最初の5年程度は東京を中心に関東で活動していました。その後、支援企業様など様々なご縁によって、高知や沖縄など他の地域でも関係機関の方々とつながることができ、活動の機会を頂くようになりました。
今回は、その中の1つで、高知県で主に施設で暮らす子どもの自立支援を行っている「にじいろステーション」様にお話を伺いました。
話し手:社会的養護自立支援拠点事業「にじいろステーション」 森下様、西原様(児童家庭支援センター 高知ふれんど )(以下、敬称略)
2024年2月収録・2024年6月掲載
写真は2023年8月のパソコン寄贈&講習会の様子
Q. 「にじいろステーション」の皆さんの活動内容を教えてください。
西原:児童養護施設などの施設を退所するお子さんのアフターケア(自立支援)を行っています。この事業を高知県から受託して5年目になります。
Q. お子さんが何歳くらいの時から関わり始めるのですか?
森下:実際にお子さんに会うのは、施設退所間際になることがほとんどです。具体的に言うと、高校3年生の冬くらいです。施設退所後につながり続けて、その中で関係構築をしていく、という長期的な取り組みをイメージしています。本当はもっと早い時期から関わりを持ち始められると良いのですが。なので、ライツオン・チルドレンさんの「パソコン寄贈&講習会」のようなイベントは、子どもと関わる大きなきっかけとなっています。
Q. 子どもにとって、パソコン寄贈はどのような位置付けでしょうか?
森下:大学進学時にパソコンを準備しないといけないケースが増えてきていますが、経済的に購入が難しい人や、進学する前からパソコンを手に入れて準備したいという人もいます。パソコン寄贈に加えて講習会も開催して頂いていることを、子どもたちはとても価値があることだと感じているのではないかと思っています。
これまでも体調不良など不安定な子がおりましたが、「パソコンがもらえるので、頑張って(会場まで)来ました」という子もいました。講習会の会場では、子ども達が長時間、集中して講習を受けている姿を見て、(付き添いの)施設職員の方が驚いていたこともあります。
写真は2023年8月のパソコン寄贈&講習会の様子
Q. にじいろステーションの皆さんにとって、講習会をやってよかったと思うことはありますか?
森下:にじいろができて1年目という、とてもいいタイミングでこのパソコン寄贈&講習会をライツオンさんと一緒にやらせて頂きました。にじいろでパソコン講習会に参加したという話が、施設の子どもの間でも先輩から後輩へと伝わっていて、良いサイクルが生まれていると思っています。いま関わっている高校2年生の子も、次回は参加したいと言ってくれています。この講習会をきっかけにつながれた子がいっぱいいるので、本当にありがたいです。
西原:個人的なことですが、自分はパソコンがとても苦手なので「子どもに間違って教えてはいけない」と一歩引いている部分がありました。ですが、講習会で子どもと一緒に触るうちに、大人がミスする姿を見せてもいい、むしろ見せたほうが距離は縮まる、ということがわかってきました。自分自身もパソコンに挑戦してみようという気持ちの変化がありました。
Q. 最後に、これまでの講習会で思い出に残るエピソードを教えてください。
西原:コロナ禍で対面の講習会ができなかった時、Zoom の画面越しであっても、子どもが(後々まで)私たちの顔を覚えていてくれたり、私たちも「あの時画面の右上にいたあの子だね」と子どもを顔を覚えることができました。ライツオンの皆さんから、講習会の後に子どものいろんなエピソードを聞けたりもするので、講習より交流の要素が強くて、その分、そこにいた人のことがより強く印象に残っているのかなと思いました。
森下:2020年の初回の講習会で出会った子で、今もつながっている子がいます。大人数の場が苦手という子でしたが、講習会で大勢の前でパワポで発表した姿がとても印象に残っています。つながり続けるきっかけを作って下さったことに感謝しています。
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