参画企業の声

NTTドコモビジネスチェオ株式会社様

NPO法人ライツオン・チルドレンは、寄付金だけでなく、企業などで使用済みになったデバイス(パソコン、タブレット、スマートフォン)の寄付もお願いしております。
デバイスのお引き取りやデータ上書き等のリユース処理は、横河レンタ・リース株式会社に担って頂いています。
今回は、2025年より使用済みデバイスの寄付を行って頂いているNTTドコモビジネスチェオ株式会社様にお話を伺いました。NTTドコモビジネスチェオ様は、2025年10月1日に「エヌ・ティ・ティコム チェオ」から名称変更されたばかりです。
使用済みデバイスのご寄付のプロセスを振り返りつつ、自社の事業と社会貢献活動の相乗効果についてもお話を伺いました。
話し手:NTTドコモビジネスチェオ株式会社 経営企画部長 高口 正孝 様、テクニカルサポート部 乳井 望 様、経営企画部 柳沢 健 様(以下、敬称略)
2025年9月収録・2025年10月掲載/写真撮影:株式会社LIFE.14
Q. 貴社の事業と、どのようにデバイスを利用されているかについて、教えてください。
高口:当社では創業以来、事業の柱としてコンタクトセンター事業を行っています。テクニカルサポートなどの電話対応を行う在宅スタッフとして、全国で個人事業主の方と契約しており、この個人事業主の方々と一体となって事業を運営してきました。社員は、東京・新橋の本社をはじめ、仙台、札幌、釧路など、各地の拠点で計250人規模の体制となっています。
柳沢:コンタクトセンター事業では、電話対応を行うスタッフを分散させることでBCP(事業継続計画)対策になり、またスタッフの皆様が自宅で働くことができるという点で、働き方改革と合致する部分もあります。現在は 600 人程度の個人事業主の方がいらっしゃいます。東京の辰巳にパソコンのLCM(ライフ・サイクル・マネジメント)センターを置いて、個人事業主の方々に当社から PC を貸与しています。
高口:私たちは、このビジネスモデル自体に社会貢献の側面もある、と認識しています。オフィスに出社しないと仕事ができないスタイルの事業モデルですと、例えば、育児や介護の対応が必要な方々などが、どうしても、長時間働くことが難しいということがあります。当社の個人事業主との契約のしくみで、今まで働きたくても働けなかった全国の方々に、ご自宅で、ご自身が予め決めたスケジュールで働く機会を提供しています。
Q. NTTドコモビジネスチェオ様のCSR活動、社会貢献活動について教えてください。
高口:創業から20年近くが経って潮目が変わり、当初からの事業だけでなく、他のことにも取り組まないといけない、という局面を迎えました。社員が変化に直面する中で、グループ内のエンゲージメント調査では、エンゲージメントのポイントの低下が表れました。この調査の中には、CSRや社会貢献の項目もあります。
経営企画部長 高口 正孝 様
柳沢:先ほどお話したとおりの業態なので、かなりの台数の更改がありましたが、今までは単純に廃棄処分していました。今回、 CSR に力入れていこうという会社の方針もあったので、廃棄するのではなく寄付して活用することはできないか、ということを考えました。
パソコンを通常の手順で廃棄すると、最終的に素材レベルでは再利用(リサイクル)になるのでしょうが、途中で物理破壊されてしまうのだと思います。破壊せずに、より手前のレベルで再利用(リユース)ができないかと以前から思っていました。実は自分自身も Refreshed PC(再生パソコン)を使っているのですが、まったく問題なく使えています。
経営企画部 柳沢 健 様
Q. 今回の使用済みデバイスの寄付を最初にご検討頂いた際、どのようなポイントに注目されましたか?
高口:まずはセキュリティ面での安全性が重要だと思います。私は前職では親会社で情報セキュリティの責任者を4年ほど務めていました。廃棄端末からの情報漏洩があると、経営を揺るがすほどの大事件になってしまいます。
柳沢:この寄付の取り組みに横河レンタ・リース様が参画なさっていることは、もちろん大きな決め手になりました。ライツオン・チルドレン様のウェブサイトで、これまで大企業の寄付実績も多くあるということも確認させて頂き、それが裏付けになって、安心して進められました。
乳井:私たちの扱う端末は、クライアント様の考え方次第でファット端末の場合もあればシンクライアント端末の場合もあり、いろいろなパターンがありますが、データ消去については、一定の標準的な水準やコンセンサスに沿う形で実施することに違いはないかと思います。
テクニカルサポート部 乳井 望 様
乳井:自分の担当業務の中で使っている端末ではありますが、その処分については本業ではないので、様々なことを調べないといけません。法律であるとか、排出先の会社が必要なライセンスを持っているかとか、事前に契約を締結して発注しないとマニフェスト(産業廃棄物管理票)を発行してもらえないとか。もちろん担当者で調べれば分かりますし、社内の法務担当に確認もできるのですけれど、何年かに一度しかやらないものですから、色々と大変ではあります。どこかに見落としがないかと不安に思いながら進める、というのが一般的な状況だと思います。
そういった部分でも、横河レンタ・リース様のように精通されている企業にパートナーとして入って頂くと、非常に頼もしいです。

横河レンタ・リース ITリセールセンター長 宮前:横河レンタ・リースは、自社のレンタルビジネス用のデバイスの在庫が100万台くらいあり、それらが日々返却されてきて、データ消去や再生(リフレッシュ)の作業を継続して行っています。他社様からデバイスをお引き取りして再生するという再生事業においても、同様の基準とプロセスでデバイスをお預かりしています。
最近、ようやくデータ消去の世界基準が設けられ、認証が出てきました。世界全体でCO2削減の流れがあったことも、ソフトウェア認証を後押ししたようです。横河レンタ・リースとしては、従来から使っていたソフトウェアに認証がつき、弊社の処理の適切さをお客様に理解して頂きやすくなったと考えています。
Q. 横河レンタ・リースによるデバイスのお引き取りからデータ上書きまで、一連の作業をご覧になって、いかがでしたか?
乳井:引き取りをお願いした時は、800台のパソコンは狭いスペースに集約してある状態でした。実際の搬出作業は、慣れた様子で効率よく進めて頂き、また様々な配慮をしながらやって頂けました。
作業について事前に相談や確認を一緒にして頂いて、それを社内でフィードバックしていくと、社内で話が通りやすいというのもあります。そういった部分で、担当者としても非常にありがたかったと感じました。
デバイスの引き取り作業の様子(撮影:ライツオン・チルドレン)
デバイスの引き取り作業の様子(撮影:ライツオン・チルドレン)
Q. 今回、使用済みデバイスの活用を考える際に、「子どものために」との希望があったと伺っています。どのような背景や想いがありましたか?
柳沢:子ども虐待などのニュースを見ていると心が痛みますし、少子化ということもあります。歳を取ればとるほど、子どもが大事だと思うようになってきました。私たち大人が責任をもって対応すべきと考えます。
乳井:子ども達を支援する分野で、もっと色々な視点でニーズをとらえ、手を差し伸べる活動がもっと増えた方がいいなと思っています。
実際に活動されている方々は、どうしても資金で困るところがあるのかなと思いますので、そういった部分で今回、貢献できて良かったと思っています。今後も、会社としても、個人としても協力していきたいと、改めて思った次第です。
高口:幼い子どもをはじめ、子ども虐待のニュースに日々触れています。私が住んでいる地域でも、以前幼い子どもの大変痛ましい事件がありました。
子どもは日本の宝です。ライツオン・チルドレン様のような、ある種の繋ぎ手(インターフェース)がいてくださって、社会や、私たちのような民間企業が、協力して一緒に子どもに手を差し伸べていけるような形にできればと思っています。
NTT グループでは、グループ全体で社会貢献を推進しています。当社が属するNTTドコモビジネスグループでも、毎年サステナビリティ活動の優良事例を表彰するコンテストがありますが、今回の使用済みパソコンの寄付についても、当該コンテストにエントリーするなどして、こういう貢献のやり方もあるんだ、という認識をグループの中で広げていけたらと考えています。
ライツオン・チルドレン 理事長の立神(左端)、横河レンタ・リース ITリセールセンター長の宮前様(右端)とともに
●NTTドコモビジネスチェオ株式会社様のサステナビリティの取り組みについて
https://www.nttcheo.com/corporate/about-us/sustainability/
NPO法人ライツオン・チルドレンは、こうしたご支援のおかげで、継続した事業活動を計画・実施することができています。
今後とも皆様のご支援を賜りますよう、お願い申し上げます。
NPO法人ライツオン・チルドレンへの使用済みデバイスの寄付について、詳しくはこちらのページをご覧ください。
https://lightson-children.com/support/business/used-device/