子どもとスマホに関する研究と実践
~ワタシとスマホ~
スマホの使い方(リテラシー)と子どもの心の発達という2つのテーマを統合し、子どもたちを支えるための新しい「理解の枠組み」を提示することを目指します。さらに、子どもたちを日々支えている児童福祉の現場で役立つ具体的な知識や実践の手がかりに落とし込み、共有していきます。
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プロジェクトの背景と目的
2020年度から2023年度にかけて、私たちライツオン・チルドレンは児童養護施設等に向けて、新型コロナ緊急対応でのパソコン一斉寄贈や「社会的養護の職員のためのITセキュリティ/リテラシー研修」を行いました。
そうした活動を通して、子どもたちを支える現場から、子どものICT利用に関する様々なご相談を頂き、トラブルと対策の実例にも多く触れることができました。
ICTの中でも、スマートフォン(スマホ)は今や私たちの生活に欠かせないものとなり、児童養護施設などの社会的養護のもとで暮らす子どもたちにも、スマホにアクセスする機会の保障を考えていく必要があります。
私たちが知る限り、児童養護施設で暮らす高校生のほとんどがスマホを所持しており、中学生にもスマホ所持を認める施設も出てきています。
スマホが身近になる一方で、子どもたちの安全をどう守るかという問題も大きくなっています。
ほとんどの施設で、ペアレンタル・コントロールの利用や使い方のルール設定といった制限をかけていますが、それだけでは不十分なようです。
私たちは、スマホやSNSを安全に使いこなすための情報リテラシー教育と、福祉や心理などの分野で培われてきた子どもの心理支援に関する知識が、現場でバラバラに扱われがちだということに気づきました。
そして、この2つが支援者(例えば児童養護施設の職員)の中で統合されず、十分な理解の枠組みを持てていないことが、取り組むべき課題なのではないかと考えました。
そこでこのプロジェクトでは、スマホの使い方(リテラシー)と子どもの心の発達という2つのテーマを統合し、子どもたちを支えるための新しい「理解の枠組み」を提示することを目指します。
さらに、その枠組みを、子どもたちを日々支えている児童福祉の現場で役立つ具体的な知識や実践の手がかりに落とし込み、共有していきたいと考えています。
このプロジェクトを通じて、子どもたちが安全にスマホとともに成長できる社会づくりに貢献していきたいと考えています。
プロジェクトの活動内容
施設訪問セッション
対人距離など言語化が難しい話題も扱うため、対面実施を重視し、一部ビデオ会議も取り入れます。
セッションにおいて、ライツオン・チルドレンは問題提起、解説やファシリテーションを行います。

協働する施設
協働する施設 | 所在地 | 期間 |
---|---|---|
児童養護施設A | 関東地方 | 2024年4月~継続中 |
児童養護施設B | 九州沖縄地方 | 2024年4月~継続中 |
文献調査
文献調査で得られた知見は、施設訪問セッションで活用を図ります。