ビデオ会議で「ハウリング」や「エコー」を防ぐ方法

ビデオ会議中、突然「キーン」という耳障りな音を聞いたことがあるでしょうか?この音が鳴る現象を「ハウリング」や「エコー」といい、ビデオ会議の中でも頻繁に発生するトラブルのひとつです。
「ハウリング」と「エコー」の発生原理を知ることで、ビデオ会議中のイヤな音を防ぐことができます。

「ハウリング」「エコー」とは?

「ハウリング」とは、主にスピーカー(イヤホン)から「キーン」という音が鳴る現象のことをいいます。ビデオ会議以外にも、カラオケボックスやライブ会場などのスピーカーとマイクがセットになっている環境で発生することが多いです。

「エコー」とは、同じ音声がスピーカー(イヤホン)から何回も戻って聞こえてくる現象のことをいいます。

ハウリングやエコーは、なぜ起きるのか?

スピーカーから流れている音をマイクが拾い、その拾われた音がスピーカーを通じて流れることで発生します。「スピーカーの音をマイクが拾う」を繰り返すことで音が増幅し、「キーン」という耳鳴りのような音がスピーカーから聞こえてくるのです。

ビデオ会議のハウリングやエコー

一般的なビデオ会議のシステムでは、自分がマイクに吹き込んだ音はその端末(パソコン、スマホ、タブレット)のスピーカーからは流れてこないようになっています。なので、ハウリングやエコーはあまり起こりません。

しかし、同じ部屋で複数の端末から1つのビデオ会議に接続すると、条件が変わって、ハウリングやエコーが発生しやすくなります。

自分がマイクに吹き込んだ音は、ビデオ会議を通じて、同室にある他の端末のスピーカーから流れます。すると、元の音を拾ったマイクがもう一度同じ音を拾ってしまいます。このサイクルを何度も繰り返して、ノイズが大きな音に増幅されたり、エコー(反響)して聞こえたりします。

「ハウリング」や「エコー」の対策

別室からビデオ会議に参加する ※この方法が最も効果的です。

マイクに入ってくる音声を極力遮断するために、別室からビデオ会議に参加するとハウリングやエコーを防ぐことができます。

他の人となるべく距離を置いて他のマイクが音を拾ってしまうのを防ぐ(同室から参加する場合)

別室からビデオ会議に参加することが難しい場合は、一緒にビデオ会議に参加する人となるべく距離を取って、他の人の声がマイクに入らないようにすると、ハウリングやエコーを防ぐことができます。
後述する「イヤホンマイク(ヘッドセット)」と一緒に使うと、より効果的です。

ビデオ会議のマイクは、話すとき以外はなるべくミュート(オフ)にする(同室から参加する場合)

上記のように距離を取っても、ハウリングやエコーが発生してしまう可能性があります。
そのため、自分以外の人がマイクに向かって話しているときに自分のマイクをミュート(オフ)にすると、自分のマイクに他の人の音声が入らなくなるので、ハウリングやエコーを防ぐことができます。
(Zoomの場合、左下のミュートアイコン からミュートにすることができます。)

※Teamsなどの他のビデオ会議システムも同様に、画面内のマイクアイコンを押すことでマイクをミュートにできます。

イヤホンマイク(ヘッドセット)を使用する

『ハウリングやエコーは、なぜ起きるのか?』でもご説明した通り、スピーカーから出た音声をマイクが拾うことでハウリングやエコーが発生します。
マイクに入る音声を極力少なくするためにも、イヤホンマイクやヘッドセットは効果的です。
新しくヘッドセットの購入をご検討されている方は、エコーキャンセラー(エコーを除去する機能)が付いたヘッドセットであるか、確認したうえでの購入をおすすめします。

スピーカーフォンを使う
スピーカーフォンの例

「スピーカーフォン」は、スピーカーとマイクを一体化させた据置型の装置です。

スピーカーフォンは、性能にもよりますが、数メートル離れたところで話している人の声をビデオ会議に送ることができます。会議室のような場所でビデオ会議に接続するとき、部屋の真ん中に置いて使うと、室内のみんなの声を拾ってくれて、ビデオ会議の向こう側にいる人の声も大きな音で出力してくれます。

スピーカーフォンを使う最大のメリットは、スピーカーフォン一台を接続して置いておくだけで、一人ひとつずつヘッドセットを準備しなくても良いことです。
相手の声が聞こえるスピーカーフォンに向かって話しかけるだけなので、ストレスを感じずにビデオ会議に集中することができます。

※複数の端末でビデオ会議に参加する場合は、スピーカーフォンが接続されている端末以外のマイクをミュート(オフ)に設定することで、ハウリングやエコーを防ぐことができます。

また、スピーカーフォンに向かって話し始める前に「○○(自分の名前)です」と宣言すると、相手側が今誰が話しているかを把握することができ、よりスムーズなビデオ会議になります。

ビデオ会議の画面をプロジェクターに繋ぐ場合

施設内研修など、大人数でビデオ会議に参加するときはビデオ会議の画面をプロジェクターにつないで受講する場合もあると思います。

プロジェクターには、スピーカーが内蔵されているモデルと、そうでないモデルがあります。スピーカーが内蔵されていないモデルの場合、プロジェクターに投影すると音声が聞こえなくなってしまうので、そういった場合はパソコンのスピーカーから音を流すか、スピーカーを別で接続し、音声が聞き取れるようにする必要があります。

また、接続しているマイクが会議室のうしろの方までしっかり音を拾えるか、拾えない場合はマイクのケーブルが届くかなど、実際の環境で事前に確認しておくと安心ですね。

※プロジェクターに映して大人数でビデオ会議に参加する場合、スピーカーフォンと併せて使うと、より快適なビデオ会議ができます。

おわりに:快適なビデオ会議をするためには

コロナ禍でビデオ会議を利用する機会が一気に増えましたが、コロナが収束してもビデオ会議を利用する機会は多々あると思います。

施設の場合、ビデオ会議のために会議室などを用意するのが難しい場合もあると思います。
ヘッドセットやスピーカーフォンなどを併用して、快適にビデオ会議ができるよう、事前に準備をしておくと安心ですね。

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