この記事では、代表的なSNSの利用規約に記載されている年齢制限について紹介します。
またSNSを安全に利用し始めるポイントを解説します。
SNSとは?
SNSは「ソーシャル・ネットワーキング・サービス」の略で、インターネット上で、知っている人同士や知らない人同士が交流を図ることのできるサービスの総称です。
代表的なサービスとして「LINE」や「Twitter」、「Instagram」等があります。
スマホで学校などの友達とのやり取りをしたり、会ったことが無い人も含めて同じ興味・関心の人でやり取りをしたり、といったことができます。グループとの連帯を強める、社会と接点を持って様々な情報や意見に接する、などのメリットもあります。
子どもとSNSをめぐる事件
子どもがSNSで大人とつながり、児童ポルノなどの性被害や、誘拐などの事件に巻きこまれるケースが後を絶ちません。警察庁の統計によると、「SNSに起因する」事件の被害児童数は令和3年に1,812人でした。
実際に起きた事件として、男がTwitterで知り合った中学生の少女らを自分の管理下で住まわせていた事件(朝日新聞デジタル 2019年11月27日)や、小学生の女子児童がSNSで知り合った大人に自宅を特定され暴行を加えられる事件(時事通信ニュース 2021年6月3日)がありました。
SNSではさまざまな人と簡単にやりとりすることができる反面、子どもがこういった事件に巻き込まれるリスクを伴っています。
SNSに年齢制限があるの?
SNSに年齢制限があることは、各種SNSの利用規約に記載されています。
しかしながら年齢制限があることはあまり認知されていません。東京都が小中高生の保護者を対象に行ったアンケート調査では、約4割の保護者が知らなかったと回答しています。(家庭における青少年のスマートフォン等の利用等に関する調査 2021年4月28日)
代表的なSNSとその利用規約に記載されていた年齢制限を表にまとめました。
また記事の最後に利用規約の年齢制限に関する文章とリンクを掲載しますので併せて確認してみてください。
(2022年3月時点で各SNSの利用規約に掲載されている情報をもとに記事を作成しています。今後、利用規約が変更になる可能性もあるので、SNSを利用する前に必ずご自身で最新の規約を確認するようにしてください。)
SNS名 | 利用を禁じている年齢 |
---|---|
LINE | なし(18歳未満は利用できない機能がある) |
13歳未満 | |
13歳未満 | |
13歳未満 | |
YouTube | 13歳未満(親または保護者の許可があれば、13歳未満の子どもは利用できる) |
TikTok | 13歳未満 |
年齢制限の根拠は?
年齢制限が設定されている理由は、子どもがトラブルに巻き込まれないようにするためです。
多くのSNSは13歳未満を基準に利用が禁じられています。これはアメリカのCOPPA(児童オンラインプライバシー保護法)が関係しています。COPPAは、子どもを守るための法律で、SNSの事業者が不正に13歳未満の子どもの個人情報を収集できないよう規制しています。各SNS事業者はこの法律を遵守するために年齢制限を設けています。
日本の法律では、個人情報の同意について、「何歳以上」という一律の年齢制限は設けられていません。参考までに、個人情報保護委員会ホームページの事業者向けQ&Aには、次のような記載があります。
「法定代理人等から同意を得る必要がある子どもの具体的な年齢は、対象となる個人情報の項目や事業の性質等によって、個別具体的に判断されるべきですが、一般的には 12 歳から 15 歳までの年齢以下の子どもについて、法定代理人等から同意を得る必要があると考えられます。」
気を付けるポイント
SNSは、基本的には利用規約に同意すれば使用できるため、子どもが年齢制限があることを知っているかどうかに関わらず、SNSの利用を開始することができてしまいます。(生年月日から年齢を判定するSNSもありますが、嘘の生年月日を使って登録することができ、すり抜けることが可能です)
SNSを安全に利用し始めるためには下記のポイントが大切です。
- 大人がSNSのサービスで何ができるのか、機能や仕様を理解しておく(できれば大人自身が実際にSNSを使ってみる)
- 大人がSNSの利用規約を確認しておき、重要な部分は子どもに説明する(利用規約は長く難しいので、子どもが自分で熟読することはないものと考えておく)
- SNSによって子どもにどんなリスクが降りかかるのか、大人が子どもと一緒にニュース(具体的な事例)を見たり、話し合ったりする機会を持つ
- 大人がペアレンタルコントロールやフィルタリングを設定し、子どもが利用できるSNSやアプリを制限する
- SNSのトラブルが起きた時や起こりそうな時、子どもが大人に相談できるような信頼関係がある(大人はSNSを嫌っている、といった不信感を子どもにあまり持たれていない)
まとめ
子どもがSNSを利用する際は利用規約の年齢制限や他の条件を満たしているかを確認しましょう。
また子どもが年齢制限を満たしていても、利用するのに適切な理解力や判断力があるかを大人が判断することも大事です。
そのためには大人が利用規約だけでなく、サービスそのものについての知識を深める必要があります。
参考:代表的なSNSの利用規約
LINE
「当社は、本サービスの全部または一部を、年齢、本人確認の有無、登録情報の有無、その他、当社が必要と判断する条件を満たしたお客様に限定して提供することができます。」
利用規約:https://terms.line.me/line_terms?lang=ja
例えば、18歳未満の子どもはLINEでID検索や電話番号検索ができないようになっています。この制限を設けることで子どもが不特定多数の人と繋がり、トラブルに巻き込まれるリスクを小さくしています。参考ページ:LINEみんなの使い方ガイド
また、年齢制限とは少し違いますが、iOS版のLINEアプリでは推奨年齢が「12歳以上」となっています。https://official-blog-ja.line.me/archives/80472765.html
「13歳未満の方(または、自国で製品を利用できる法定年齢に達していない方)」
利用規約:https://ja-jp.facebook.com/terms.php
「13歳以上であるか、または自国でInstagramを利用できる法定年齢に達していること。」
利用規約:https://www.facebook.com/help/instagram/478745558852511
「Twitterのサービスはお子様を対象とはしておらず、13歳未満のお子様によるTwitterのサービスの利用は禁止されています。また、ご自分の国において個人情報の処理に同意するために十分な年齢に達している必要があります(一部の国では、ユーザーに代わって親または保護者の方に同意してもらうことを許可する場合があります)。」
利用規約:https://twitter.com/privacy?lang=ja
YouTube
「本サービスを利用するには、13 歳以上である必要があります。ただし、親または保護者によって有効にされていれば、あらゆる年齢のお子様に 本サービスおよび YouTube Kids (利用可能な地域の場合)をご利用いただけます。」
利用規約:https://www.youtube.com/static?template=terms&hl=ja&gl=JP
TikTok
「13歳以上の方(特定法域向け補足条項において追加的な制限が課される場合があります。)のみが利用できるものとします。」